プリロード調整とは?
プリロード調整は、バイクのサスペンションのバネ(スプリング)にかかるプリロード(初期荷重)を調整すること。イニシャル調整とも呼ばれる。
納車の時にもらえる説明書は69ページに書いてあるから一度は読んでおこう。
なぜプリロード調整をするべきなのか
プリロード調整をすることによるメリットは一般的に
- 乗り心地の改善
- 走行の安定化
- シート高の変化
新しく買ったパーツでカスタムしてこれらを狙うのもありなんだけど、お金をかけたくない人は先にサスペンションを弄ってみてからでも遅くはない。特にシート高に関してはプリロードを抜くことで結構低くなるから、足つきが悪い人も余計なパーツを買う必要がなくなるかも。
乗り心地がよくなる
プリロード調整はバイクにかかる路面の衝撃を吸収するためのサスペンションの設定を変えるから、乗り心地にはダイレクトに関係してくる。
かかりすぎていても抜きすぎていても乗り心地が悪くなるから、ぜひとも自分にあった設定を見つけておきたいところ。
走行の安定化
例えば、プリロードをかけすぎてしまうと路面の障害物を踏んだ時にタイヤが跳ねて危険になる場合がある。さらに、路面の状況が伝わりにくくなったりしてコケはじめに気づけなくなったりもする。
荷重の掛け方が非常に大事
こちらもCHECK
-
【バイクの荷重移動】法定速度でできる効果的なトレーニング方法【トラクションのかけ方】
バイクの姿勢制御 バイクの姿勢制御と聞いて真っ先に思い浮かぶのはバンクだと思うんだけど、実はその他にも二つある。他の二つはヨ―イングとピッチングになるんだけど、バンク(ロール)よりも難しい上に目に見え ...
続きを見る
サスのセッティングの恩恵を感じる上で結構大事になってくるのが荷重を操る技術。これ、一朝一夕でできるものじゃなくて非常に難しいから、普段の街乗りからできるトレーニングで少しずつ上達させよう。
実際にプリロード調整をしてみよう(ZX-25Rの場合)
ZX-25Rは純正でもリアサスペンションだけプリロード調整ができるようになってる。工具も買ったときについてくる車載工具を使えて買い足しも必要ないから今すぐにでも手順を見ながらやってみよう。
一応この記事を見れば誰でもプリロード調整をできるくらい詳しく書いたから、記事を参考にしながら作業してくれると幸いだ。
1.タンデムステップを外す(できれば)
まず最初に、リアサスペンションにアクセスしやすくするためにタンデムステップを外しておく。
後の作業が意外と大変だから、俺は外しておくことをおすすめする。あとの作業がやりづらいと感じてから外すのもあり。
2.ヒールガードをずらす(できれば)
もう一つ、プリロード調整を始める前にやっておきたいのがこのヒールガードをずらす作業。片方だけ外して下に向けておけばOK。
プリロード調整のためのアジャスターは結構硬いから力を書ける必要があるんだけど、ミスると滑ってそのままの勢いでヒールガードに指がぶつかる恐れがある。
もちろん慣れてたり自信があったりする人ならいいんだけど、ヒールガードが薄いこともあって指を怪我しそうだから一応外しておいてほしい。読者の指は俺が守る。
3.プリロードを調整する
プリロードの調整は、ZX-25Rを買ったときについてきた金具を使う(写真のやつだよ🙃)。
調整は5段階あって番号が大きくなるごとによりプリロードをかけることができる。初期状態は2番目。右に回すほどプリロードがかかって固い足回りになって、左に回すほど柔らかくポンポンした感じの乗り心地になる。
ZX-25Rの説明書には
- 路面が良好なほど柔らかく
- 速度が速いほど固く
って書いてある。詳しくは説明書を読もう。
工具はコレ
ちなみに工具は買ったときについてくるこいつら。左の工具の出っ張りをアジャスターの凹にぶち込んで、右の工具を左の工具の端にくっつけてテコで回す感じ。
アジャスターがクソ固い
注意点になるんだけど、前述したとおりアジャスターがめちゃくちゃ固い。
慣れてる人に関しては見なくていいんだけど、工具自体あんまり使ったことがない人とか不器用な人、力に自信がない人は難しく思うかもしれないから読んでみてほしい。
グローブを装着してやる
これは力をかけてるときに工具がズレて手を痛めるのを防ぐため。
特にヒールガードをずらしていない人はちょっと危ないから厚めのグローブを付けてやることをおすすめする。
体重をかける
腕から下の力で無理にやろうとするとかなりキツイから、自分の体重を利用して力をかけよう。
ただ、ガッツリ体重をかけているときにズレると危ないから工具のかかり具合をしっかり確認してから行おう。
プリロード調整をすべきとき
ここまでプリロード調整のやり方を説明してきたんだけど、ここからは具体的にどういった場合にプリロード調整をすればいいのかを解説していく。
ただ、プリロード調整は誤って変な風にするとよくないことが起こる。例えば、強くしすぎると障害物を踏んだ時に粘らずに転倒するようになったり、逆に弱くしすぎると路面の凹凸を吸収しきれずに乗り心地が悪くなってサスペンションの寿命を縮めたり、といった次第。車両に対してもライダーに対しても悪い影響を及ぼすから、プリロード調整をし終わった後は試しに走って問題なさそうかを調べておきたいところ。
まずは今から書く内容を見ながら本当にプリロード調整をすべきなのかをしっかり判断していこう。
自分の体重が軽いor重い
一般的な公道走行用のバイクの出荷時のプリロードは元から想定された用途内で安全に運行できるように設定されているから、基本的に
- 二人乗りでそこそこ走っても安全
- 想定体重が大体65kgくらい
- 乗り心地優先
といった設定をされている。
ただ、一番上の項目について、タンデムシートが小さくて乗りづらいようなバイクに関しては二人乗り自体が緊急用として考えられていることもあるから、ZX-25Rに関してはそこまでガチガチにはなっていないと思う。
自分が普通よりも痩せ気味だと思う人はプリロードをかけてみるとより運転しやすくなる可能性があるし、逆に太り気味だと思う人はプリロードを抜くとこれまでより快適に走れるようになるかもしれない。
ツーリング志向orスポーツ志向
ツーリングを多くする人であれば柔らかめの方が乗り心地はよくなる。ただ、サスペンションが底突きしてしまうようであれな乗り心地も悪化するしバイクにもよくないから、ギャップを踏んだ時に大きなショックがないかを確認しよう。
逆に、スポーツ志向で固めにセッティングする人であれば、少し固めのセッティングをした後に、大きく加速したときにリアが沈む感覚をしっかり感じられる程度に緩めておこう。
これも体重次第で結果が変わるから正解は自分にしかわからない。自分が最も乗りやすい仕様に合わせていきたいところ。
正しいセッティングで一歩上へ
今回はプリロード調整に関して解説した。
基本的には純正のサスペンションであればZX-25R以外も同じ方法で調整できるから、この記事のやり方で問題ないはず。いいサスペンションだと、工具なしで手回しで気軽に調整できるタイプも存在する。
もし、今回サスペンションを調整してみて劇的な変化を感じたのであれば、ぜひ社外品のいいサスペンションにカスタムしてあげよう。個人的にはサスペンションのカスタムはバックステップに匹敵する「効果がわかりやすい」カスタムの一つだと思うからかなりおすすめ。ちょっと値は張るけど。
一応下にZX-25R用の社外サスペンションを一通りおいておく。全部イケてるけど特にOverRacingが渋い🥺
↑お手頃な一本
↑高いけどガチ。
引用元:over.co.jp
↑激渋
https://www.over.co.jp/products/87-86-01/
マフラーを交換で更なる高みへ
-
参考【最強の一本はこれだ!】Kawasaki ZX-25R用フルエキ全10選【社外マフラー】
充実のラインナップ!ZX25R用マフラー 発売されてそれなりに時間が経って、ある程度マフラーの選択肢も増えてきたZX-25R。音の良さが売りの一つになってるバイクなだけに、そのラインナップはまさに選り ...
続きを見る
サスも変えれば次は音のスペクトルからZX-25Rをカスタムしていこう。ここに全部まとめたから気に入った一本を探してみよう。