レーシングスーツが欲しい
90年代以降、ゼファーとビクスクにすべてを持っていかれたフルカウルスポーツバイクなんだけど、10年くらい前にNinja250を筆頭に息を吹き返してきた結果、ここにきて空前絶後のブームになっている。
そんなフルカウルのスポーツバイクに似合う服とは何か考えたことはあるだろうか
- テキスタイルジャケットでツーリング志向
- ラフにTシャツでバイクの性能とのギャップを演出
- パーカーと合わせて流行りのストリート風に
もちろんこれらもカッコいいと思うし、スポーツバイクとはいえ遠出をしない限り軽装備でも俺は問題ないと思ってる。しかもバイクに興味ない人からすれば一番ウケるのはぶっちゃけパーカーみたいなところもある。
しかし、ここで一度スーパースポーツの頂点の本来の姿を想像してみてほしい。彼らはサーキットを速く走るために生まれたり、その過程で得られた技術を惜しみなく使われたりしている。サーキットとは切っても切れない縁で結ばれているスーパースポーツに対してのモーニングは、考え方次第ではレーシングスーツになるのではないだろうか。
革ツナギはサーキット走行で必須
ちなみに、自分でサーキットを走ろうとした場合レーシングスーツを求められることがほとんど。走行会であればレーシングスーツを持っていなくてもOKな場合も結構あるんだけど、やはりサーキットを走る以上レーシングスーツの防御力は欲しいところ。
これからサーキットを走りたい人であれば安全面でもレギュレーション的な問題でもぜひ一着は持っておきたいところ。
実店舗だと普通に高い
レーシングスーツを実店舗で買おうとすると最低限10万円は持っていないと選択肢がほぼ一つになってしまう。(Berikのアレ)
これは日本で正規に売るときにMFJ認証だったりで安全をしっかり確認してくれているところもあるんだけど、10万円も20万円もしてしまうと敷居が非常に高くなってしまう。
ネットで買うと安くできることも
そこでネットで買う選択肢があるんだけど、ネットでツナギを安く買うとなると
- 海外のバイク通販サイトで個人輸入
- オークションサイトでブチ落とす
- フリマアプリで狙う
主にこの三つで攻めていくことになる。
ネットで買う時の注意点
で、最初はネットで買う時の注意点を見ていく。
さっき少し書いた通り、ネットで革ツナギを安く買うとなると
- 海外バイク通販サイト
- オークション系(ヤフオクとか)
- フリーマーケット(メルカリとか)
基本的にはこの三つがレーシングスーツを安く買うことのできる場所になってくる。一つずつ解説していくから、それぞれの特徴と注意点を見ていってほしい。
海外バイク通販サイト
知っている人も多いとは思うんだけど、海外製のバイク用品は海外のバイク系通販を利用して個人輸入するとめちゃんこ安く買える。
型落ち品・セール品を狙え
海外のバイク通販サイトで買う時のコツとしては、型落ち品のセールが結構な大きな値引きをされることもあるから、欲しいものが型落ち寸前くらいであれば少し待ってセールが始まってから買うのもアリ。
セールされた場合は早めに買わないとなくなってしまうから常に目を光らせておこう。
まとめて買おう
海外から輸入するだけあって送料が国内に比べて高めという特徴がある。
欲しいものはできる限りまとめ買いをして送料を安く抑えることも重要になってくる。間違えても小分けにして買いまくるとかはNG。
バイク通販サイト次第で取り扱いがなかったりもするから、自分が欲しいものがすべてそろっているのかも確認した上で通販サイトを選定して、一回の注文ですべて手に入れられるようにしよう。
MFJ認証はすべてなし
ただ、ここで買った革ツナギはレースとか一部のサーキットで必要なMFJ認証がされていないから、これからガンガンサーキットで走っていきたい人は注意が必要。
MFJ認証がレースのためだと誤解されていることが度々あるんだけど、MFJ認証がなされたレーシングスーツじゃないと走らせてくれないサーキットも意外と多いから、家の近くでこれから走る予定のサーキットがMFJ認証が必須なのかどうかをしっかりと確認しておこう。
ヤフオクで買うレーシングスーツ
みんな大好きヤフオク。上手く使えば某入門セットを買わずとも国内メーカーでフル装備揃えることもできる。国内のツナギは高いんだけど、運が良ければ新品同様のものが半額以下で買えたりするから目を光らせておこう。
値段と状態を天秤にかける
ヤフオクでいい感じのレーシングスーツを見つけたら、最初はいくらで売られているものなのかを確認してみよう。
転倒歴なしとか着た回数がほんの数回の場合はほぼ新品のモノが手に入るから、状態のいいものが欲しい人はそのツナギがどれくらい使用されたものなのかを説明文と添付された写真をチェックしたうえで確認しておこう。きれいなものはマジできれい。
たばこのにおいとかついていたら我慢。
MFJ認証の有無は必ず確認
もう一つ大事なのがMFJ認証の有無。アルパインスターズとダイネーゼに多いんだけど、海外の通販サイトから買ったものでMFJ認証は実はついていないということも多い。
これ、たまに説明に書いていない人がいるんだけど、そういう場合はすぐに聞いた方がいい。MFJ認証の有無で価値が結構変わるから、まずはMFJ認証なのかどうかを確認する癖をつけておこう。
引くときは引く
ヤフオクはオークションだから熱が入ってしまうと当初の考えより高くついてしまうことがある。
競り合っている相手の上限が見えない場合とか、競り合っている人数が多すぎる場合は値段が上がりに上がることもあるから突っ込みすぎずに、当初の自分の想定金額まで上がった時点で手を引こう。
革ツナギとグローブとブーツを合わせて10万円!とか、抱き合わせで上限金額を決めておくと適度に振れ幅を持たせられるからオススメ。
メルカリでもレーシングスーツ
中古品を狙う場合のもう一つの選択肢がメルカリ。稀に明らかに相場に合わない激安品があったりする。
値段が上がらないのがいいところ
ヤフオクとの異なる部分が、オークション形式でないことから値段が上がらないということ。逆に相手に値切りをしてみたりすると上がらないどころか下がることも普通にある。
自分のお財布と相談しやすいし、欲しいものを確実に買うことができるのはフリマアプリならではのメリットと言える。
常に監視しよう
ただ、ヤフオクと違って期限が決まっているわけじゃないから欲しいものがあればすぐに買わないと、いいものであるほど他の人に買われてしまう。
レーシングスーツを常に監視しておいたり、気になるレーシングスーツがすでにあれば安くなるかを確認したりすることで、いいものを安く手に入れられる確率があがるだろう。
個人的にヤフオクは掘り出し物があっても適正価格まで釣りあがるから、メルカリの方がいいものを安く買いやすい気がする。
相場がわかるとなお〇
メルカリは値下げ交渉をできるんだけど値下げを狙いすぎると出品者に嫌われることもあるし、逆に意外と高い値段で買ってしまうこともある。
これに関しては、自分の買いたいものの新品での値段とヤフオクでの値段、過去にメルカリでいくらで取引されていたのかを分析することで適正な値段で交渉をすることができるから、普段から上記三つを見ておくようにしよう。
MFJ認証の話
さっき上でも少し書いたんだけど、革ツナギにとってMFJ認証というのが非常に大事になってくる。
リセールバリューが変わってくる
公道でかっこよくSSに乗りたいだけでサーキットを走ることはないっていう人でも問題になってくるのがこれ。
MFJ公認なのか否かで値段が大きく変わってくる。アルパインスターズに関しては海外のバイク通販サイトで買うか国内の正規輸入品を買うかで2倍近く値段が違ってくるから、当然リセールに関しても大きな差が出てくる。
モノは同じなんだけど、承認があるかどうかで値段が非常に変わってしまうから注意してみておくようにしよう。
MFJ認証の新旧
実はMFJのマークには二種類あって、MFJ Standardとだけ書いている旧マークと数字が書いてある新マークが存在する。
何が違うのかというと、旧マークは2026年に使えなくなるということ。今は旧マークから新マークへの移行期間で新しいモデルであれば大体新マークがついている。
もし、2026年以降のリセールを考えるならできる限り新マークを抑えておきたい。とはいえ新マークは比較的新しいモデルにあるから買おうとすると値段も高めになってしまうから、
- 2026年まで所有するのか
- そもそも手放すのか
をよく考えて検討しよう。
サーキットのフリー走行でも必要
結構勘違いしている人がいるんだけど、MFJはレースだけじゃなくてサーキットのフリー走行でも見られるところが多い。
特に大きなサーキットだとこの辺が厳しかったりするから、大きめのサーキットを走る予定がある人はMFJ公認のレーシングスーツを買うことが望ましい。
レーシングスーツはサイズ感が超大事
バイクに乗った時に快適なら〇
まず大前提として、バイク用レーシングスーツの立った状態の着心地はガン無視でいい。いいに越したことはないかもしれないけど、レーシングスーツはバイクに乗った時の動きやすさを最優先して作られているから、直立の状態で股とか肩回りがある程度突っ張るのはむしろ正解なんだ。
膝のカップで痛くなる
そもそも体が入らないとかの根本的な問題を除いたときに恐らく一番キツイのが膝が痛くなる問題。
膝のカップは最近のバイク用のレーシングスーツであればすべてについているんだけど、サイズの指定がシビアなメーカーだったりすると少しズレているだけで苦痛になることがある。
オーダーメイドのツナギを中古で買う場合とかはある程度覚悟をしておいた方がいいかもしれない。
革ツナギが縒れる
これ、ツナギがデカすぎるときに顕著になるんだけど、ニーグリップしてるところが少し縒れてズレたりするようになる。
ガッツリブレーキした時とかハングオフした時とかの繊細な動きが必要な時にズレてしまうと、いつもは気にならないものも気になって仕方なくなるから、できる限りジャストサイズを狙って購入したいところ。
お直しもアリよりのアリ
ツナギはお直しサービスみたいなのがあって、若干サイズが合わないくらいであればお金を払えば解決できる場合がある。
ネットで買って若干サイズが合わない場合は手放してしまう前に一度お直しを検討してみよう。部位によっては意外と安くお直ししてくれるかもしれない。
レーシングスーツを買う理由がそこにはある
やたら歩きづらい上に暑いし高いし保管も面倒な上に、バイクを知らない人からは白い目で見られるし普段使いにはよろしくない部分も多く見られるレーシングスーツ。
ただ、考えてみてほしいんだけどスポーツのウェアってそういうものじゃないだろうか。スキーのブーツだって歩きづらいし、剣道の防具つけて街中歩く人いないし、自転車のビンディングシューズだってこの上なく歩きづらい。そんなバイクの正装であるレーシングスーツは、バイクの上では他のどの服よりも間違いなく優秀。安全性はピカイチな上にニーグリップも滑らないからしやすく、スライダーもついているからいつでも膝を擦れる。見た目もバイクに乗っている人からすれば最高にイケてる。
モータースポーツへの昇華
俺はレーシングスーツはバイクを移動手段からスポーツに昇華させる一歩だと思っている。
バスケも卓球もゴルフも野球もスポーツとしてやっているのに、バイクに関してはスポーツとして楽しんでいる人が少ないような気がする。もちろんツーリングも楽しいし、バイクの楽しみ方として非常にいいものだとも思うんだけど、スポーツとしても楽しむとさらにバイクを深く知れる上に新しい扉を開けられると思う。
昔の走り屋のインタビューで「危ないと思わないんですか」に対して「だからロールバーを入れるしヘルメットだってする」っていう答え方をしたものがある。バイクは車に比べて身を露にしている分、安全に運転していても自分の身に対しての危険度が高いのは事実だから、バイクのことを危ないという人にレーシングスーツというアンサーを出すのもアリではなかろうか。