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【フルバンク】バイクのバンク角の限界はどこまでか考えてみた

そもそもフルバンクとは?

フルバンクとは、バイクのバンク角で最も深いところ。また、走行中のバイクを寝かせてグリップを完全に失わない限界の角度のこと。

フルバンクなんてすることはなかなかないんだけど、この角度を知っておくことで安全運転にも繋がるし、精神的な余裕も持てるようになるから、ぜひ今回の記事でぜひ理解しておきたい。

バイクにバンクは必須

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バイクは傾けて曲がる乗り物って言われるくらいバイクとバンクは切っては離せない関係にある。

実際、スクーターでもクルーザーでも、NIKENみたいな三輪のバイクもそのすべてがバンクをして曲がる構造をしてる。

バンク角の限界が知りたい

そんなバンクで気になるのが一体どれくらい傾けてもいいのか。安全運転をする上でもこれ以上傾けるとコケる限界は把握しておきたいところ。

最大バンク角をある程度理解しておけば無駄なコケる心配をせずにコーナーをクリアできる。

今回はそんなバンク角の限界を見たうえでどうすればバンク角を引き出せるのかを考えてみたから最後まで見ていってほしい。

アマリングの消し方は別問題

アマリングはフルバンクしないと消せないと思いがちなんだけど、実は公道でアマリングをフルバンクをすることで消そうとすると速度が出すぎて非常に危険。

でも、フルバンクをしないでもアマリングを消す裏ワザがあるから、アマリングをとにかく消したいって人はこっちの記事もオススメだ。

今回の記事はバイクでコーナーを曲がる上での大事な基本を解説しているから、併せて読むことをお勧めしたい。

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最大バンク角は一般的に55°(公道用スポーツタイヤ)

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https://dunlop-motorcycletyres.com/products/radial/sportmax_q4.html

これはダンロップのSPORTMAX Q4のページなんだけど、これによると一般的なスポーツタイヤのフルバンク時のバンク角は55°程度

Q4のページを読むと、この55°は少し温めないと全くグリップしないフラッグシップモデルじゃなくて、その一つか二つ下のモデルに関してのものだと読み取れる。

もちろん、コンディションには気を付けて挑まないと55°は危険なんだけど、それにしてもなかなか深くバンクすることができることがわかる。

SPORTMAX Q4は脅威の62°

上のURLを開いた人は見たと思うんだけど、DUNLOP SPORTMAX Q4は脅威の62°までバンクできる

62°って言われても想像がつきにくいかもしれないけど、バイクのスライダーが地面につく状態が大体80°付近だとすれば、残り18°しか猶予がないことになる。

このくらい寝ていると、手は伸ばさなくとも地面に尽くし、膝に関しては擦りすぎないように意図的に引っ込める調整が必要なほど。

他のメーカーでも可能

今回、最大のバンク角の表示がDUNLOPしかなかったからSPORTMAX Q4のバンク角を書いたけど、多分他のメーカーもDUNLOPと同等かそれ以上の能力を備えているところもあると思う。

他のPirelliとかブリヂストンのフラッグシップモデルもそれくらい倒せると思うから、自分のタイヤがそのメーカーのどれくらいに位置してるのかを見て大体で判断しよう。

最大バンク角は乗り方でも変わる

ここからは最大バンク角をいかにして引き出すかを主眼に置いて話していく。

大まかな最大バンク角を引き出す要素が

  • アクセルは一定
  • タイヤは温めて
  • 曲がる方向に体重をかける
  • 道も選ぶ
  • タイヤの皮むきは済ませて

となる。一つずつ詳しく見ていこう。

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こっちの記事はバンク角以外のアプローチでバイクを曲げていく話になっている。こっちの記事でバンク角をある程度つけられるようになったら次は前後の荷重移動を意識していこう。

アクセルは一定

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教習所でも教わったと思うんだけど、コーナリング中はアクセルは一定にしておくとタイヤのグリップ力を遺憾なく発揮できる。

これは、限りあるグリップ力が駆動力に使われてしまうことでコーナリングに使うためのグリップ力を奪ってしまうから。

不安定だと簡単にコケるよ!

バンク角が特に深いときにアクセルを開けてしまえばリアが滑ってコントロールが効かなくなる恐れもあるし、最悪の場合ハイサイドでおしゃかぽんの可能性も見えてくる。

まずは浅いバンク角でアクセル一定で曲がる練習をして慣れてきたら少しずつバンク角を深めていこう。

タイヤを温めておく

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タイヤは温度でグリップの良さが変わる

実際、特に性能のいいスポーツタイヤとか、レース用のスリックタイヤとかはある程度温まった状態でないとむしろ滑るような設計になっていることが多い。

これは温度が最適な状態の時にグリップ力を稼ぐための設計だから、この事実を知った上でタイヤの温度は常に気にするようにしよう。

公道で走る分には熱すぎることはまずない

夏のサーキットで長いカーブを高速で曲がったりしまくると熱ダレしてグリップ力が落ちることがあるんだけど、どれだけ危険な運転をしていようと公道で走る分にはそんな温度域に行くことはまずない。

だから公道では温めることだけを意識しておいて、今の状態ならどの程度のカーブを安全に曲がれるかとかを考えるようにしよう。

基本的には、ある程度走らないと温度は上がらない。たまに街乗りの原付が交差点でコケているのはこれは原因で、乗り始めなのにいつもの速度で交差点に突っ込んでしまうことはご法度。

温度はタイヤでも位置によって異なる

さすがにここまで考える必要はないとは思うけど、これも頭の片隅に置いておくとさらに安全に走ることができる。

実はタイヤは直線を走っているだけだと真ん中しか温まらず、バンクした時に肝心の端っこが冷え冷えのままになってしまう。直線ばかりを走った後で、温まった気になって無理な曲がり方をすると意外とグリップせずにコケてしまうということもあるから注意。

これは徐々にバンク角を増やして端まで温めることで解決できるから、最大バンク角に挑戦する前に少しずつバンク角を増やしていくような感じで温めていこう。

曲がる方向に体重をかける

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俗に言う荷重移動の一種。体重を旋回方向にかけることで安定して曲がることができる。

簡単にメカニズムを解説すると、曲がる方向に体重をかけることでタイヤの端っこを潰すことができる。タイヤを潰すと接地面が大きくなるから安定して曲がれるという感じ。

グリップが少ない雨の日とかでも比較的安全に走れるようになるから、安全運転にも応用が効く。ぜひ習得しておきたい。

具体的な掛け方

体重のかけ方はいくつかあって

  • ふとももでタンクを内側に押す
  • カーブの内側に体を入れ込む
  • ケツを上手くずらす

といった感じ。

ステップとタンクは常用しよう

この中で、ステップを踏みこむこととタンクを曲がる方向に太ももで押し込むことは普段運転する上でも非常に役立つ動きとなる。

まず、タンクを押し込むのは曲がるときに効率よくバイクを寝かせられるから、比較的簡単に頭で描いたライン通りに曲がることができるようになる。

カーブが苦手で毎回周りのバイクより遅めでないと曲がるのが怖いっていう人は、まずタンクをバイクを倒して曲がることを意識しよう。

ステップ荷重は難しい

次にステップを踏みこむことなんだけど、こっちは少し複雑。

バイクはタイヤの接地面を中心にバンクするんだけど、ステップはタンクに比べて下の方にあるのがわかると思う。

これ、てこの原理で考えるとタンクよりもステップはバイクに力をかけにくい場所ってことになるんだ。

倒しこむときだけステップ荷重を利用

フルバンクにおいて、ステップ荷重はタンクに上手く体重をかけられている状態であれば、あまり意識しなくてもOK。タンクに上手く体重がかけられるならむしろ荷重を抜く目的で踏むことすらある。

あと、コーナーの内側にあるステップは純正のステップだとする可能性がある。

あまりステップに荷重をかけすぎた状態でステップを擦ると、荷重がステップに乗ってタイヤのトラクションが激落ちする可能性があるから、ステップを擦りそうなフルバンク時はむしろステップ荷重は抑えめで走るのがいい。

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道を選ぶ

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公道でやろうとしてる人に限定した話なんだけど、道を選ぶことが何気にかなり大事。場合によっては自分で転ぶだけじゃなくて周りに危険を及ぼしてしまったりするから、安全にも十分に配慮しよう。

フルバンクを引き出すのに最も良い道の特徴は

  • 見通しがいい
  • デコボコがない
  • 長めなカーブ
  • 交通量が少ない
  • 逆バンクになっていない

逆バンクを避ける

逆バンクっていうのは、曲がる方向と逆側に道路が傾いているような道の状態のこと。

逆バンクで普段通りに曲がろうとすると思ったよりも曲がれなかったり、普段より早めにステップを擦ったりしてかなり危険だから、道路の状態をよく見てできる限り避けておきたい。

デコボコは大人しく

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見通しに関しても非常に大事で、見通しが良ければ走行ラインを意識しやすいし道路の安全も確保することができる。

というか性質上曲がってる途中でブレーキをかけられないバイクがブラインドコーナーで突っ込むのは免許返納レベル。危険すぎるからやめようね!

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そもそもコケそうだと思ったら挑戦するべきではないんだけど、転ばぬ先でも杖は必須。絶対に他の人は巻き込めない理由がそこにはある。

タイヤを変えればすべてが変わる

何気にこれが一番大事かもしれない。

詳しくはこっちの記事で触れているんだけど、ツーリングタイヤはそもそも端まで使える構造になっていないから、端まで使おうとしても使えないかコケるかの二択になってしまう。

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この記事を見ているということは、深くバンクしてみたい気持ちがどこかにあると思うんだけど、その中で純正タイヤを使っている人は今すぐにでもハイグリップタイヤに変えるべき。

というかツーリングタイヤで深いバンクをさせようとしている人は努力が無駄になってしまうから、GPR-300のレビュー記事の途中に書いてあることを一度読んでみてほしい。

ムリは禁物

いかがだっただろうか。

今回はバイクのバンク角の限界についてとそれを引き出す方法について記事にした。

より傾けて問題ないタイヤなら安全なマージンも大きいし、より傾けられる技術があれば安全な運転にもつながる

ただしムリは禁物。コーナリング中の事故はハイサイドだったり大事故になるものがちょくちょくあるから、しっかり安全に配慮した上で集中して挑戦したいところ。

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