ライダーを育てるバイク
バイク次第で伸びが変わる
バイクの車種は数えきれないほど多くて、その全てが少しずつ違った特性を持っているんだ。中にはスクーターみたいなニーグリップができないモデルもあれば、ピストンが楕円形になっているものまでとにかく多種多様。
ここまで多種多様になっていると、バイクの中にもライダーが上手に走らせやすいようなセッティングになっているものと走らせにくい代わりに速いものとかもある。
この二台があった時に、バイクのスキルの上達を望む人が買うべきは前者になる。ピーキーなバイクであるほど乗りこなすには基本が大事になるんだけど、そのバイク自体は上手く走らせる方法をフィードバックしてくれない場合もある。
上達するには順序がある
見栄えだけでいいなら早速大型バイクから入ってしまっても問題ないんだけど、やはり将来的に上手く走りたいとなれば小型・中型から始めるべき。
大型バイクは基本的に、想定される速度域が高いからシャーシとかサスペンションの設定が高速域での走行に耐えうるものになっている。ただ、このセッティングは公道を制限速度内で走る程度では活かせなくて、サスペンションが硬すぎて動きを感じにくかったり、シャーシが全くよれず曲がりにくかったり、バイク自体が高速よりなせいで挙動が出にくくなってしまっているんだ。
これ、言うまでもなく初心者が速く走るのは危険だし、お金もかかるから大型バイクは上手くなった時のために取っておくべき。ある程度上達するまでは小型・中型のライダーを育てるバイクに乗ったほうが理にかなっているから、上手くなりたい人は早速大型バイクを買うのはやめた方がいい。
上手くなりたい人はいいバイクを
バイクの腕を磨きたい人は俗にいう「ライダーを育てるバイク」に乗るのが最も効率がいい。
国際サーキットみたいなところで毎日走れるなら最強の大型バイクに乗ってしまえばいいものの、日本の中でそんなことをしている人はかなりの少数派で、そんなことを出来る人はなかなかいない。
でも、公道であれば話は違う。毎週でも走りたければ走れるし、通勤に使ってしまえば毎日でも走ることができる。この公道でのライディングを練習時間にしてしまえば一気に大量の練習時間を得ることができる。
今回はそんな公道くらいの速度もしくはミニサーキットで走る上で最も上達しやすいバイクたちを紹介していく。
上手くなる練習法
バイクが決まった人は公道でできる練習法を見ていこう。これが気持ちよくできるようになった頃にはバイクを自分でコントロールすることができるようになっていると思う。
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いいバイクの特徴
ライダーを育てる、という意味でいいバイクとはどういうものかを解説していく。
バイクの動きがわかりやすい
バイクを正しく効率的にコントロールしていきたい!となった時に、そのヒントになるのがバイクから伝わってくる何かしらの情報になってくる。
その情報の例としては
- フロント/リアタイヤの接地感
- 路面状況の把握のしやすさ
- 前後への荷重のかかり具合
- タイヤの滑り具合
それ以外にも細かいものはたくさんあるし、情報の伝わり方はバイクごとに想定される速度域によっても変わってくる。
とにかく、バイクを正しくコントロールするための情報
少し話が変わるんだけど、モータースポーツで最も大事なことのをバイクから積極的に発信してくれるバイクなら、初心者でどの動きが何を示すのかわからない人であっても理解しやすくなるからいいバイクと言える。
維持費がかからない
一つに「続ける」ということがある。
部活とかをやっていた人であればこのことは共感してくれると思う。そもそも継続はすべての物事において非常に大事になってきて、才能がない人であっても続けてさえいればライバルが徐々にやめていって、最終的にはある程度高い位置に辿り着くことができるんだ。
ただ、普通のスポーツであれば継続に必要なのがほぼ気合だけなのに対して、バイクとか車で継続をしようとすると気合に加えて多額の費用が必要になってくる。
このやり繰りが上手ければ上手いほど長く続けられるから必然的に周りより上手くなる。タイヤ代一つにしても安いに越したことはないから、消耗品の値段を可能な限り抑えられるバイクを選んでいきたいところ。
乗っている人が多い
これは乗っている人が多いバイクであるほど、そのバイクに対してのノウハウが多く蓄積されているから。
例えば、ワンメイクレースが盛んなCBR250Rであれば、サーキットで走っている人も多いから何かあった時に同じバイクの人に聞くことができる。もう一つ、実はHONDAの公式サイトにもCBR250R専用のセッティング情報が載っていたりするから、レース未経験の人で人脈がない人であってもある程度まともなセッティングをして、大まかに正しい方向で詰めていくことができるんだ。
ただ、これが隼とかのレースからは少し遠いところにいるバイクになると、セッティングの情報は一気に減ってしまう。こうなってしまうと、全てのセッティングを自分で走ったフィードバックを元に試行錯誤してやっていく必要があるから桁違いに高い難易度になってしまうんだ。
そもそもレース初心者だとフィードバックに対してどうセッティングすればいいかがわからないから、ライダーを育てるバイクという意味では乗っている人が少ないバイクは絶対に避けるべき。
単気筒のオススメバイク
- 燃費よし
- タイヤ代よし
- 部品代よし
単気筒バイクの良さは何といってもその維持費の安さ。維持費が安いから、カスタムであったりレースへの費用であったり速くなることに集中できるのが非常にいいところ。
あと、車両重量も最も軽いことから、バイク自体の動きが掴みやすいのもメリット。本気でやりたいなら単気筒が一番オススメ。
CBR250R
レースのノウハウが蓄積された最強のレース用バイク。
引用:honda.co.jp
レースで乗っている人がとにかく多い
ミニサーキットに行くと結構見る車両。CBR250Rのワンメイクレースが開催されていることもあって、ガチで乗っている人が多いのが特徴。
レースで走らせているような人はバイクのセッティングをとにかく本気でやっているから、わからないことがあれば情報が手に入りやすいというメリットがある。
HONDAが情報を公開してくれている
実は、HONDAの公式サイトにCBR250Rのワンメイクレースのためのセッティングガイドみたいなページがある。このページでタイヤの空気圧の説明からサスペンションのセッティングの細かい考え方まで、レースで使うあらゆる情報をまとめて公開してくれているんだ。
セッティングよくわからないけど知らない人に聞くのはちょっと…という人もここを読んでおけばある程度基礎を理解することができるから、CBR250Rを買ったときにはぜひ参考にしていきたいところ。
Ninja250SL
カワサキ版250cc単気筒スポーツ。
引用:bikebros.co.jp
ストック状態から高い戦闘力
CBR250Rと同じ250ccの単気筒のスポーツモデルのバイクなんだけど、ストック状態ではNinja250SLの方が速いといわれている。
カワサキもNinja250SLをスポーツバイクとして売り出していることもあって、Ninja250SLは色々とスポーツ走行を意識したセッティングになっている。
カワサキが好きなあなたへ
単純にカワサキが好きならこっちを買おう。実はこのバイク、ヘッドライトを隠すとめちゃくちゃかっこよくなる。
GROM
引用:honda.co.jp
とにかく荷重移動を学べる車両
シートがフラットなことから、シッティングポジションの選択の幅がとにかく広い。
かなり後ろよりに座ればフロントが希薄な感じをすぐにつかめるし、色々と積極的な荷重移動を学ばせてくれるバイクになる。
速度が出ないことから安全性も〇
125ccのバイクだから、最高速もそこまで伸びない。下手にパワフルで最高速が伸びるバイクに乗ってしまうとミスった時に大けがをしてしまう可能性が大きくなるから、初心者はまずここから練習していくというのも一つの手。
怪我をしてしまえばバイクを続けるのがどんどん嫌になるかもしれないし、最悪の場合二度と乗れなくなることも考えられるから、極力安全なGROMを選ぶというのは非常に賢い選択肢。
Z125PRO
引用:kawasaki-motors.com
GROMよりスポーツより
基本的には同じようなコンセプトだからGROMとよく似ている。
ただ、ストック状態ではZ125PROはGROMよりもスポーツ志向なセッティングをされているから、改造なしに楽しみたいのであれば非常にオススメ。
GROMはレースベースモデルがあったりして人気も高いから、カスタムをするとなればGROMの方が速いのかも?
カワサキが好きならこれ
結局はココ。HONDAが好きならGROMを買えばいいしカワサキが好きならZ125PROを買えばいい。カワサキが好きなら悩まずこっちを買っちゃおう。
二気筒のオススメバイク
二気筒は250ccバイクの中でも非常に人気のエンジン。多くの250ccバイクが形は違えど二気筒エンジンを積んでいる。
タイヤも太すぎないから安いし、燃費も単気筒ほどではないにせよ良好で資金面はいい感じ。車両重量もそこまで重くないから、単気筒だとなんとなく物足りない人にオススメだ。
VTR250
引用:honda.co.jp
Vツインエンジン
Vツインエンジンを縦置きしたアグレッシブな配置。二気筒バイクの中でも車体が細くできているから、空気抵抗も取り回しのしやすさも非常に優秀になっている。
スポーツタイプのVツインエンジンなんて今の時代このバイク以外高すぎて練習に使えないから、Vツインが好きならまずこれを検討しよう。
ジムカーナで人気
VTR250はジムカーナで人気で、ジムカーナよりではあるけどノウハウがある程度溜まっているのも特徴。
CBR250Rとかと似て、セッティングでよくわからなくなってしまったときも誰かに聞きやすいというメリットがある。
CBR250RR
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HONDAが速い250ccを求めた結晶
CBR250RRは250ccの中でも高い価格帯に位置している高級車的な扱いの車両。で、値段が高いだけあってホンダが本気で速い250ccの二気筒バイクを作った結晶と化している。
250ccでとにかく一番速く走りたいって人はとりあえずこれを選ぼう。
ストック状態から速い
Ninja250とかYZF-R25はお金をかけて改造して速くしていくっていうイメージなんだけど、CBR250RRに関しては元から速いカスタムが施されているみたいな感じ。
他の250ccのスポーツモデルをCBR250RRと同じくらいの速さにしようと思うとCBR250RRの値段を超える。そういう意味では最もお値打ちで速いバイクになっている。
GSX250R
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安い・楽しい
250ccの二気筒スポーツバイク群の中で最も安いモデルで、速さよりもツーリングへの適性に降ったような車種なんだけど、やはり安さは命。
安いとはいえスポーツタイプのバイクで、サスペンションの動きを感じたり荷重を若干移動させたりして遊ぶには十分。サーキットに行く予定はないけどお金を出来る限りかけずに運転が上手くなりたい人にはオススメだ。
四気筒のオススメバイク
四気筒のバイクの良さは四気筒であること。
将来600ccとか1000ccへのステップアップを考えている人であれば四気筒のバイクもオススメ。600ccも1000ccもスポーツモデルはほとんどが四気筒だから、エンジンの回り具合の特徴であったり高回転を維持して走る癖をつけたりとしていけば、比較的違和感なくステップアップしていけるだろう。
あと、四気筒はテンションが上がる。ふざけているように見えるかもしれないけど、テンションが下がってレース自体のやる気が失せてしまえば本末転倒だから、やる気を底上げしてくれるテンションはかなり大事。
正直重いし高いしデメリットの方が多い。
ZX-25R
250ccの四気筒モデルになると現状これしかいない。CBR250RRと同様高すぎるのが欠点。
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良質なフロントサスペンション
フロントサスペンションがSHOWAのSFF-BPで、これマジでいい。
フロントフォークの動きが明らかに他のバイクよりもリニアで、自分の思うように気持ちよくブレーキして気持ちよく旋回につなげることができる。上手く走れば他のフォークでも速く走れると思うけど、気持ちよく走りたい人はZX-25Rを買うことでかなり幸せな気分になれる。
高いだけある。
初心者はKTRCで安全に練習
KTRCはトラクションコントロールのこと。慣れてくればオフでいいと思うけど、本当の初心者のうちはお世話になったりするのがこれ。
リアが滑ったりしてヤバそうなときはしれっと助けてくれる頼もしいおともで、絶対にこけたくない人には嬉しい装備になっている。
ガチで上手くなりたいなら安全装備を
バイク本体以外の要素で上手くなるうえで必須なのが安全装備。安全装備をしっかりしないで攻めて死ぬほど難儀なことはない。安全装備に金をかけるところから始めよう。
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バイクのパーツはちゃんと保管
極限まで攻めた走りをしていると転倒の回数も増えてくる。上手くなる上である程度の転倒は仕方ないから、これを直せるようにしておきたいところ。パーツの保管について記事を書いたからこれも暇なときに見てほしい。
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