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【二輪駆動バイク】前輪も回るのに普及しない4つの理由を徹底解説

前輪も駆動するバイクは実在する

車には四輪駆動がある。じゃあバイクの二輪駆動は、と考えると、街で見たことがない。

無いわけじゃない。ちゃんと存在するし、市販もされてる。ただ、ほぼ全部がオフロード方面に振り切ってる。

なんで普及しないのか。ここを構造から見ると、バイクという乗り物の制約がよく分かる。

実在する三つの系統

二輪駆動バイク
画像:Aaron Headly/CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

Rokon(アメリカ)

1958年に最初の二輪駆動バイクを作ったメーカーで、現在も作り続けてる。世界最古かつ最長の二輪駆動バイクメーカーを名乗ってる。

見た目が独特で、極太タイヤに機械式の駆動をフロントへ回してる。ハンターや林業向けという立ち位置で、速度を出す乗り物じゃない。

Christini(アメリカ)

たぶん二輪駆動で一番有名なのがここになる。AWDのオフロード車を複数種類出してるほか、既存のダートバイクに後付けできるキットも売ってる。

機械式で、シャフトとチェーンを使ってフロントへ駆動を分配する。KTMなどをベースにした車両がある。

ヤマハ 2-Trac

日本のメーカーが本気でやった例がこれになる。

WR450F に、オーリンズが設計した油圧式の前輪駆動を組んだ。エンジンで油圧を作って、ホイールハブに入れたモーターを回す。機械的なシャフトを通さずに前輪を駆動できる。

2000年代前半に競技用として限定的に作られたけど、量産には至らなかった。ダカールにも出てる。

なぜ普及しないのか

駆動まわり
画像:Tom Reynolds from Melbourne, Australia/CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

面白い技術なのに広がらない理由が、だいたい四つある。

1. ハンドルが切れる

一番でかいのがこれ。

後輪は車体に対して固定されてるので、チェーンで繋げば済む。前輪は左右に振れるうえに、サスペンションで上下する。この二軸が動く先へ駆動を伝えるのは、機械としてかなり面倒になる。

シャフトとユニバーサルジョイントを組むか、油圧で送るか。どちらにしても部品が増える。

2. 重くなる場所が悪い

追加される機構は、フロント側とその周辺に乗る。

バイクはハンドルを切って曲がる乗り物じゃなく、倒して曲がる乗り物になる。フロント周りが重くなると、倒し込みが鈍くなるし、ハンドルの返りも変わる。

車なら「重くなったけどトラクションが増えた」で釣り合うことがあるけど、バイクは操作性への影響が大きい。

3. 舗装路では要らない

そもそも二輪駆動が効くのは、後輪が空転する状況になる。泥、砂、雪、急な登り。

舗装路では後輪だけで足りてる。足りてないのはグリップじゃなく、乗り手の技量とタイヤの温度だったりする。

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4. 値段と整備性

部品が増えれば高くなるし、壊れる場所も増える。整備できる店も限られる。

オフロードの競技や実用(林業、軍用、捜索)なら、そのコストを払う理由がある。一般のライダーには無い。

前輪駆動だけのバイクもある

駆動まわり
画像:Daniel Hartwig from San Mateo, CA, USA/CC BY 2.0(Wikimedia Commons)
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ついでに書いておくと、前輪駆動オンリーの試作も歴史上いくつかある。

ただ、これは物理的にかなり厳しい。加速すると荷重が後ろへ移るので、駆動輪の荷重が抜けていく。加速するほど前輪が滑る、という設計になってしまう。

車の前輪駆動が成立するのは、四輪で車体が安定してて、荷重移動の幅が小さいからだ。バイクだとホイールベースが短く重心が高いので、荷重移動が大きすぎる。

つまりバイクで後輪を駆動するのは正解で、二輪駆動はその上に足す話になる。

電動なら話が変わるかもしれない

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ここが今一番面白いところだと思ってる。

モーターならハブに入れられる。シャフトもチェーンも要らない。前輪のハブにモーターを一個置いて、配線を通すだけで前輪駆動が成立する。

実際、電動の二輪駆動バイクは既に市販されてる。前輪でバーンアウトできる、という妙な特技を持つ車両まである。

内燃機関では割に合わなかったコストが、電動だと消える。二輪駆動が普及しなかったのは思想の問題じゃなく、駆動を前へ運ぶ手段が高くついたからだ。その制約が外れつつある。

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画像:サフィル/CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
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まとめると、二輪駆動バイクは技術的には成立してて、用途もはっきりしてる。舗装路の趣味用途で要らなかっただけになる。

そして電動化で前提が変わり始めてる。数年後に「前輪も回るのが普通」になってる可能性は、まあまあある。

もしRokonかChristiniを実車で見かけたら、フロントハブのあたりを覗いてみてほしい。そこに、ハンドルが切れて上下もする場所へ動力を届けるための工夫が全部入ってる。

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