缶詰はあるのに、開けられない
備蓄の缶詰を出した。プルタブが付いてない。缶切りは、たぶん引き出しのどこかにある。無い。
災害時にもキャンプでも起きる。そして缶切りが無い前提で備蓄してる人は少ない。
結論から書くと、スプーンで開けられる。慣れれば1分かからない。
缶のフタは、思ったより薄い
先に構造を知っておくと納得できる。
缶詰のフタは、側面より薄い金属でできてる。しかも縁の内側に沿って一段くぼんだ線がある。ここが構造的に一番弱い。
缶切りがやってるのは、この弱い線を刃で押し破って、そのまま円周をなぞる作業になる。つまり同じ場所を、別の硬いもので押し破ればいい。
スプーンで開ける

一番現実的なのがこれ。
1. スプーンの柄じゃなく、先端の丸い部分を使う
2. 缶の縁の内側、くぼんだ線の上にスプーンの先を立てる
3. 上から押し当てながら、細かく前後にこする
4. 何度か往復すると金属が薄くなって、そのうち穴が開く
5. 穴ができたら、そこにスプーンの先を差し込んで、縁に沿って少しずつこじる
コツは力じゃなく回数。一点を集中してこすると、そこだけ薄くなる。
金属製のスプーンなら大抵いける。プラスチックは折れる。
コンクリートで削る

意外と知られてない方法。
缶のフタを下にして、コンクリートやアスファルトに押し当ててこする。フタの縁の接合部分が削れて、密閉が外れる。
こすっていると缶の表面に湿り気が出てくる。それが「そろそろ抜けた」の合図になる。そこで缶の側面を両手で挟んで押すと、フタが浮いて外れる。
外で使える方法で、道具が何も無いときの手になる。ただし削りカスが入るので、外れたら中身の表面は少し捨てたほうがいい。
ナイフを使うなら、刺すんじゃなく押す

ナイフがあるなら早いけど、やり方を間違えると危ない。
刃を立てて上から押し込む。振り下ろしたり、こじったりしない。刃が滑って手に来る。
缶の縁に刃先を垂直に当てて、体重をかけて押す。穴が開いたら、そこから少しずつ位置をずらして穴を連ねる。最後に穴と穴の間を折れば外れる。
先の尖ったナイフは折れやすい。厚みのある刃のほうが向いてる。
やらないほうがいいこと
火にかける。中の空気が膨張して破裂する。密閉された缶を直火にかけるのは危ない。
思い切り叩く。中身が飛ぶし、缶が変形して余計に開かなくなる。
手で縁を持って作業する。開いた縁は刃物と同じくらい鋭い。軍手か布を挟む。ここは本当に切れる。
開けたあとの縁が一番危ない

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これが実は一番言いたいところになる。
缶切りで開けても、スプーンで開けても、開いた縁は薄い金属の刃になってる。中身を出すときに指をやるのはここだ。
- 縁に触らないよう、深めの器にあける
- そのまま口をつけない
- 捨てるときはフタを中に押し込むか、袋を二重にする
災害時だと手当がしにくいので、余計に気をつけたほうがいい。
備えるなら缶切りより

代用の話をしてきたけど、備蓄するならプルタブ付きを選ぶのが一番いい。
そのうえで、非常用の持ち出し袋に小さい缶切りを一個入れておく。数百円で、キーホルダーサイズのものがある。
軍用のP-38という缶切りが有名で、親指くらいの大きさしかない。あれを一個入れておくと、この記事を読む必要がなくなる。
覚えるのはスプーン
家でもキャンプでも、スプーンが一番手に入りやすい。だからこれだけ覚えておけばいい。
先を縁のくぼみに当てて、力じゃなく回数でこする。それだけだ。
道具が無い状況は、たいてい他のことも上手くいってない。手が一つ増えると、そのぶん楽になる。
